藤本ジムに語り継がれる(?)伝説的な出来事
今から15年以上前になるであろうか。当時バンタム級ランカーだった黍野がジムの練習を終え駅に向かっていると、坂の上から異種格闘技ジムのN会長がやって来た。 N会長は目ざとく黍野を見つけると「練習はもう終わりか!?」と呼びかけた。
「はい、終わりました」
「よーし、おごってやる。呑みに行くぞ!」
既に出来上がっていた会長は黍野を連れて上機嫌で居酒屋に突撃。
小1時間もしただろうか。散々飲み 食いしたあとN会長が「じゃー帰るぞ!黍野」
黍野は待ってましたとばかりに「ご馳走様でした」
会計に進む二人。
「お勘定は○○円になります」
「そうか○○円か、んっ……ちょっと足りないから黍野、お前足りない分出しておけ!」
まあ500〜600円だからいいか、と思った黍野は「では足りない分は自分が払います」と素直に応じたのである。こうして無事に勘定を終え家路に向かう、と思いきや、ゴキゲンのN会長
「よーし次行くぞーっ!」
黍野に断る勇気などあるはずも無かった……。当然2件目3件目の支払いは黍野のポケットマネーである。つまり、おごられるはずが、おごりまくりなのである。それからの黍野は、当分の間ジムが終わっても権之助坂を通ることは無かったという。
(鴇稔之)