2006年04月11日

大沢食堂の激辛カレーに挑む #2

そして運ばれてきたのは、一見ごくごく普通のカレー。においを嗅いでみる。カレーの香りだ。ちょっとスパイスが効いているかな?という気はするが、その香りからはその後起こることはまったく感じとれない。「これが極辛カレーなの?」という感じなのだ。なんだか妙に赤い気はしたが……。

【写真】これがウワサの極辛カレー。

これがウワサの極辛カレーだ。添えられた味噌汁の熱さが辛さをさらに引き立てる!

そのとき目の前に座っている新妻塾長に変化が。上着を脱ぎ捨ててTシャツ1枚になり、すでに額に大粒の汗が光っているではないか! 「(極辛)カレーの話をしただけで汗がでる体質」と言っていた通りの現象が! 食べる前からすごい汗! 「ひえぇ〜!」と思いながらじーっと塾長の様子を観察。意を決して(?)食べることにしたらしい。一口目がスプーンに乗せられて口に運ばれるまでを見届ける。ここまでくればこちらも食べないわけには行かない。カレーとご飯の境界線にスプーンを突っ込む。一口にはちょっと少なめの量をすくいあげ、口に運んでみた。そしていつものように味わおうとした。

「ん〜? そんなに辛いとは思えないけど〜? 
あたしってほんとはスゴイのかも……」

と思ったその瞬間、筆舌に尽くしがたい衝撃が口腔内を襲った! それは租借という行為を忘れさせるには十分すぎる破壊力もって突然やってきたのである! いつまでも口の中にいてもらいたくないのですぐさま飲み込まなくてはと思うのだが、喉が火あぶりの刑に処せられているような感じでとても飲み込めない!! でも飲み込まなくては食べられないため、目を閉じて一口目をなんとか胃袋へ。食道を通り抜け、胃に到達したそれは、胃袋の中でなおも存在感を主張し続けていた。

「ダイジョーブだって! 所詮人間の食い物なんだから」

不安げな管理人に向けて、何度も発せられていた新妻塾長の言葉が脳内を駆け巡った。

うそつきー! どこがダイジョーブなんですかぁぁぁっ!!! ←脳内絶叫

激しい動揺に襲われている間、目の前の新妻塾長はすごい集中力とも思えるスピードで食べ続けている。顔が真っ赤だ。しかも汗だく。こちらも一口目でギブアップなんてありえないため「チクショー! 負けるもんか!」と思いながら食べ続ける(しかない)。

気がつくと目から液体が流出していた。ついでに鼻からも液体が流れ出そうになっていた。いつの間にか目が勝手に泣いていたらしい。涙を拭き、ぶんぶん鼻をかみつつ、なんとか半分ほど食べたところで、身体に異変がおきているのに気がついた。呼吸が速くなっている。ゼィゼィしている。脈も早まっているのがわかる。

高まる血圧、早まる鼓動、無言のうちに流れる涙、とめることのできない鼻水、燃える喉、そして悶絶寸前の胃! 命がけでカレーを食べてる気分である。顔を上げると新妻塾長はときおり席を立ち、持参したバスタオルで汗を拭いている。風呂上りのような状態である。確かにアレだけ汗をかくなら普通のタオルでは足りないなと妙に納得。

スプーンでカレーをすくってから、口に運ぶまでの時間がどんどん長くなっていく。一口ごとに決心がいるのである。しばらくカレーを見つめ、呼吸がやや落ち着いたタイミングを見計らって口の中に押し込み、思い切って飲み込んだら続けざまにビールを飲む。不思議なことに先ほどまで飲んでいたビールが甘い!

「ビールが甘く感じられるでしょう?」

ええ! おかげさまでビールがとても甘いですとも!!!!(怒) ←心の叫び

「これは精神修行になるからね」

修行なんて頼んでませんからーーーーーッ!!!!(泣) ←心の悲鳴

「どうして自分は泣きながらカレーを食べているのだろう?」 涙を拭きながらふとカウンターを見ると、奥で大沢氏がニコニコしながらこちらを見ている。フロアではおかみさんが気の毒げな笑みを浮かべている。

「初めてなのに、いきなり極辛はつらいわよねぇ……」

と言われた気がする。‘気がする’というのは、もう周囲のことに気を配っている余裕が一切失われていたからである。(つづく

1 / 2 / 3

posted by 管理人 at 11:00 | 特別企画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする