2005年10月06日

タイ人も思わず倒れるハイキック!

タイ修行事件簿
藤本ジム・トレーナーである鴇稔之が、今だから明かす!? タイにまつわるさまざまな出来事。

これは、今から17年前に、私が初めてタイに修行に行った時の事です。(1988年頃)

タイに到着して4日目の練習に入った時、いつも通りロープを30分跳び、心なしかへばり気味でバンテージを巻いてシャドーボクシングに突入! ムエタイのジムは大体どこでもシャドーが終わるとジムの中で強い選手順に蹴りミットが始まるのです。

しかし私は外国人。しかもジム内では新人扱いなのでミットの順番は最後の方でした。やっと順番が回って来て初ミットに!! しかしタイでの練習3〜4日目と言うのは、とても疲れが溜まって来る頃なのです。そこに持って来てミットはきつ過ぎる……。しかし私も日本チャンピオンの端くれ、気合を入れ、いざミットへ強烈なミドルキックを!! という気持ちとはウラハラに、やはり日本人はこんなモノだろう位の蹴りに……。トホホ……。

しかしその次のラウンドの中盤を過ぎたあたりに、コーチのミットは右上方に高々と構えられていました。試合をハイキックで飾った事もある私は、『よーし、ハイキックか!』と再度気合を入れ直し、左ハイキック一閃!! 今度は日本人の蹴りかぁ、とは思わせないような会心の音と足ごたえ! この後1秒とも0.5秒とも解らない間の後にゴーン(名前)コーチが巨木が倒れるかの様にマットに沈み、小刻みに痙攣を……。
そうです。私が蹴ったのはミットにあらず“コーチの首”だったのです。

タイ人選手が直ぐにコーチを仰向けにし、パンチンググローブを口に噛ませ水を掛けました。その間ボーっとたたずむ私に一人の選手が『コートォー、コートォー』と言えと。訳が解らず私は『コートー』を繰り返しました。
そうです。コートー=ご免なさい という意味なんです。

次の日コーチが、「あれはハイキックを蹴れという意味じゃ無い! お前の蹴りの威力が無いから、上から振り下ろしてミットの蹴る感触を強めてやろうと思ったんだ!」だって……!!

鴇稔之
元日本バンタム級チャンピオン
藤本ジム・トレーナー
新日本キックボクシング協会事務局長
アマチュアムエタイフェデレーション(IMF)日本代表

1963年 5月3日生まれ
1981年 デビュー
1985年 日本プロスポーツ大賞キックボクシング部門新人賞受賞
1987年 日本バンタム級チャンピオン(5回防衛)
1994年 引退
1997年 日本プロスポーツ大賞キックボクシング部門功労賞受賞
戦績 43戦30勝(13KO)11敗2分

posted by 管理人 at 15:44 | タイ修行事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする